My thing tools あの人に聞いた、お気に入り『道具』 Vol.1 家具デザイナー 永田幹さん

ものづくりの現場から、作品への想いと、
それを作りあげる為に欠かせない愛用の道具について取材する『My thing tools』
第1回目となる今回は、大阪で家具デザイン・製作を行っている
iei studio 永田幹さんのアトリエへお邪魔させていただきました。

永田 幹 / Kan Nagata



1986年
岡山県備前市生まれ
2006年
永田健一のZOOで家具を学ぶ
2008年
京都造形芸術大学 空間演出デザイン学科 卒業
2009年
Faniture design studio ZOO入社
ディレクターとして大阪玉造にZOOのショールーム
「ZOO SECOND SPACE」を開店
2010年
京都造形芸術大学 空間演出デザイン学科 非常勤講師
2013年
iei studio 設立
セレクトショップ I love you 開店

インタビュー

家具の道を決めたきっかけは何ですか?

24歳で叔父のオーダーメイド家具の工場で弟子として木工を始めました。
木工を始めたきっかけは美術大学時代の課題ですね。
好きな家具をつくるという課題だったんですが、ゼロから考える過程、そして作品として作りあげるまでの全てを自分ひとりで完結した時に強いやりがいを感じました。

作品に影響をうけたものはありますか?

オランダの『ドローグデザイン』です。何よりも自由を感じました。
それまでは家具と言えば家の中の道具としか見てなかったですが、その作品と触れて、もっと自由でいいんだと価値観が変わりましたね。 ※ドローグデザインは、1993年に開催された世界的な家具見本市「サローネ デル モービレ ミラノ」で初めて提唱されたデザインムーブメント。

どんな時にアイデアをひらめきますか?

自分の生活の実体験から、考えることが増えてきました。最近ではこどものベビーチェアなんかも作っているんですが、やはり実際にこどもと生活していく中で、ここもうちょっと丸い方がいいなとか、細かな気付きが、ディティールに繋がっていくと思います。

10年後のイメージをお聞かせください。

そうですね、今自分はひとりで活動しているんですが、目標としては『自身がメーカーになる』という言葉を体現したいですね。作り手とデザインの距離をできるだけ近くすること、最後まで責任の持てるものづくりができるような会社を作っていけたら嬉しいです。

My thing tools

道具紹介① トリマ[makita]

愛用の道具について教えてください。

マキタのトリマですね。木工されている方なら皆さんお持ちだと思うんですが、基本の用途としては、面を取る作業に多く使われている道具です。自分は他の方よりもおそらく使う頻度が多く、モーターを酷使しているので今ので5台目になりますが、やっぱりこれが1番いいですね。作業として細かなディティールを詰める事ができるんですが、ビット(先端部分)の種類も豊富で、とにかく自分のやりたいことを表現しやすいですね。

おすすめのポイントはありますか?

これはほんとに扱いやすい道具だと思います。ホームセンターなどで入手する木材なんかは角がしっかりしたものが多いので、お子さんがいる家庭の安全対策としてもおすすめです。積み木とかも、これがあれば簡単に作れるかと思います。

道具紹介② サンダ[makita]

愛用の道具を教えてもらっていいですか?

マキタのサンダも愛用ですね。均一にやすり作業ができる道具なんですが、テーブルの天板をやする際や、アンティーク家具の塗装を取る時にも使用します。あと自分の場合は、オイルを塗った後の仕上げの際にも使う事がありますね。サイズとか重さのバランスもちょうどよくて自分に1番しっくりくる感じがあります。

おすすめのポイントはありますか?

サンダは用途にそこまでバリエーションはあまり無い道具だとは思いますが、長く使えるものなので、1台あると便利だと思います。大きさもいろんな種類がありますが、自分はこのサイズがおすすめです。

道具についての思い

『道具に不満はない。あとは自分次第』

道具自体の機能は充分だと、笑顔で話す永田さん。
自分たちつくり手が如何に工夫して使いこなすかが大事だというそのスタンスには、ものづくりへの責任感と確かな自信を感じる事ができた。

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